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Lithium Triborate(LiB3O5)>

LBO非線形結晶-三ホウ酸リチウム

Tecrys



ALTECHNA

特徴:

SHGによる1064nmを532nmに波長変換に必要な代表的な結晶体。 固体レーザーの代表であるNd:YAG結晶の光波長変換として広く普及している結晶です。
LBOは優れたレーザー耐久力、THG(第三高調波)素子として広く利用されます。
BBOと比べて温度調整が乏しい反面、損傷閾値が高いので高出力に向いております。

歴史:

中国科学院(中国の国家最高科学技術及び自然科学などを研究する機関)にてLBO結晶が開発されました。 福建CASTECH社はその特許を取得し(すでに期限切れ)、国際的非線形結晶企業として今日に至ります。
現在はBBO、LBOよりも複屈折率が良く、吸収端(190nm)とエネルギー変換を向上させたCLBOなどが開発されています。
生産能力や原料など市場原理の影響もあり、通常のLBOやBBOは現在も盛んに研究開発や製品に使われております。

機能:

・160~2600nmまでの広い透過範囲
・比較的大きな有効SHG係数(KDPの3倍)
・高い損傷閾値(18.9GW/cm2
・広い受光角と小さいウォークオフ
・広い波長範囲によるタイプⅠとタイプⅡの非臨界位相整合
SHG(第二高調波)、THG(第三高調波)、OPA,OPO(パラメトリック発振器)など様々な波長を構築には、LBO結晶は様々な波長変換に大いに役立ちます。
LBO結晶をアプリケーションに沿った場合のパルス持続時間、結晶長を以下記します。
アプリケーション pulse持続時間,fs 結晶長(厚さ)単位mm
SHG@1030nm,TypeⅠ
Θ=90°,φ=13.6°
10 0.1
SHG@1030nm,TypeⅠ
Θ=90°,φ=13.6°
50 0.9
SHG@1030nm,TypeⅠ
Θ=90°,φ=13.6°
100 1.9
SHG@1030nm,TypeⅠ
Θ=90°,φ=13.6°
150 2.8
SHG@1030nm,TypeⅠ
Θ=90°,φ=13.6°
200 3.7
SHG@1030nm,TypeⅠ
Θ=90°,φ=13.6°
250 4.7
SHG@1030nm,TypeⅠ
Θ=90°,φ=13.6°
300 5.6
  • 結晶長は御見積や図面において厚さ=Thickness:略号Tと表すことがあります。
    長さ=Lengthと同意語が多いです。

物理特性

結晶構造 斜方晶
結晶格子定数 a=8.4473
b=7.3788
c=5.1395
密度 2.47g/cm³
融点 約834℃
吸湿性
熱膨張係数 αx=10.8x10⁻⁵/K,
αy=-8.8x10⁻⁵/K,
αz=3.4x10⁻⁵
熱伝導率
W/m/K
3.5W/m/K
モース硬度 6

光学特性

波長透過範囲 160~2600nm
※190nm以下は出力が弱く実質使えません。
SHG位相整合範囲
551-2600nm(TypeⅠ)
790~2150nm(TypeⅡ)
熱光学係数(℃,λin μm) dnx/dT=-9.3X10⁻⁶
dny/dT=-13.6X10⁻⁶
dnz/dT=(-6.3~2.1λ)X10⁻⁶
吸収係数 <0.1%/cm@1064nm
<0.3%/cm@532nm
角度受容性 6.54mrad·cm(φ,TypeI,1064SHG)
15.27mrad·cm(Θ,TypeⅡ,1064SHG)
温度受容性 4.7℃・cm(TypeⅠ,1064SHG)
7.5℃・cm(TypeⅡ,1064SHG)
スペクトル受容性 1.0nm・cm(TypeⅠ,1064SHG)
1.3nm・cm(TypeⅡ,1064SHG)
ウォークオフ角度 0.6°(TypeⅠ,1064SHG)
0.12°(TypeⅡ,1064SHG)
非線形係数
  • deff(I)=d₃₂cosφ(TypeI XY平行)
  • deff(I)=d₃₁cos²Θ+d₃₂sin²Θ(TypeI XZ平行)
  • deff(Ⅱ)=d₃₁cos²Θ(TypeⅡ YZ平行)
  • deff(Ⅱ)=d₃₁cos²Θ+d₃₂sin²Θ(TypeⅡ XZ平行)
非線形未損失性
Non-vanished NLO susceptibilities
d₃₁=1.05±0.09pm/V
d₃₂=0.98±0.09pm/V
d₃₃=0.05±0.006pm/V
セルマイヤー方程式(λ in μm) nx²=2.454140+0.011249/(λ²-0.011350)-0.014591λ²-6.60×10⁻⁵λ⁴
ny²=2.539070+0.012711/(λ²-0.012523)-0.018540λ²-2.00×10⁻⁵λ⁴
nz²=2.586179+0.013099/(λ²-0.011893)-0.017968λ²-2.26×10⁻⁵λ⁴

室温でのSHGとTHG:

LBOはタイプⅠ-Ⅱの相互作用を用いてNd:YAG又はNd:YLFレーザーのSHG又はTHGの位相整合が可能です。
・室温でのSHGはタイプⅠの位相整合で有効です。波長範囲は551~2600nm。
 XY平面とXZ平面にてSHGの最大実効係数が得られます。(光学特性参照)
・タイプⅡの最適な位相整合は主にYZ平面とXZ平面にあります。
(「図1.LBO SHGチューニング曲線」参照)
 CASTECH製LBOの場合、70%のパルスと30%以上のCW Nd:YAGのSHG変換効率が得られます。THGでの変換効率は60%以上のNd:YAGレーザーパルスが観察できました。

アプリケーション例:

・5x3x8mmのLBO結晶、波長700~900nmで2WモードロックTi:Sapphireレーザーの
 周波数を2倍にすると、395nmで480mW以上の出力が生成されます。<2ps,82MHz
・タイプⅡLBO結晶は結晶長18mmでQスイッチNd:YAGレーザーを介せば、80W以上の
 緑光出力が得られます。
・結晶長9mmLBOでは、励起源ダイオードNd:YLFレーザー(>500uJ@1047nm,<7ns,
 0-10KHz)の周波数倍増において、40%を超える変換効率を得られます。
・和周波発生によって189.7nmの深紫外(VUV)波長を得ることができます。

LBOのNCPM:(非臨海位相整合)

角度変動に対するNCPMとスペクトル変動に対するSNCPMも可能です。

ARコーティング:

・SHG 1064/532nmに対して1064nm,R<0.2%,532nm,R<0.5%を標準とし、
 希望に応じて1064nm,R<0.05%,532nm,R<0.1%までの低反射率を実施いたします。

損傷閾値:

・LBO>10GW/cm²@10ns, 10Hz,1064nm/研磨のみ
・LBO>1GW/cm²@10ns, 10Hz, 1064nm/ARコート時
・LBO>500MW/cm²@10ns, 10Hz, 532nm/ARコート時

潮解性:

LBOは湿気に弱い結晶です。ARコート又はPコート(保護膜)は必須です。
コーティング無しでは、水分が吸収され、LBOの屈折率に大きく影響されます。
また入力ビーム光による表面ダメージ度合いが大きく、耐久性が著しく落とします。
コーティングされていても推奨される環境室温は40%程度です。
使用環境や頻度にもよりますが、耐久年数は1~2年で交換を推奨しております。
結晶内部が白っぽくなってきたら交換の時期です。内部がしけっています。

ホルダー:

弊社では御注文のLBOへのマウントホルダーの提供及び装着も無料で承っております。
ホルダーは結晶厚が薄い場合などに必要です。
※ホルダー装着は技術と保障が必要なので新規製造品のみです。御支給品は対応できません。

CASTECH製オーブン&コントローラ:

 
LBOのNCPMはウォークオフがないので、角度調整がしやすい上、最大実効係数が良い特徴があります。 位相角度を変えるために温度による調整を行うためのオーブンとコントローラも販売しております。 オーブンはLBO結晶の口径に合せた型番がございます。
製品の仕様は別途説明書(英語)がございます。お問合せにてご提供いたします。

御見積方法

入力・出力波長、結晶サイズ・位相整合角度、数量をご提示ください。
可能なら、希望出力エネルギー、パルス幅、繰り返し周波数、入力ビームの直径(結晶の外径が決まります。)をお知らせください。
ご不明な場合、出力波長、入力するレーザーの仕様書や環境温度をご提示ください。
最適なサイズ・位相整合角度とコーティングで御見積いたします。

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